2020/04/28  
AudioQuest NightHawk Carbon_01

NightHawk Carbon。バーンインノイズの完成記念に何か買おうと思って購入したヘッドホンだ。バーンインノイズの開発を始めたのが2019/09/07だったので8ヶ月近くかかったことになる。そんなに時間使ったら何か記念に欲しくなるものだ。と言ってもNightHawk Carbonは弾がなくなってしまうかもしれないので、前倒しで買ってしまった。つまりバーンインノイズはまだ完成していないと言うこと。現状99%完成していて、完成したら最終チェックしてから公開するんで、もうちょっと待ってくれな?

 それで、なぜNightHawk Carbonか?なのだが、バーンインノイズを制作しようと思ったきっかけはNightowl Carbonのエージングが時間が掛かりそうだったので、「バーンインノイズを作って早くエージングが終わったら良いな」と言う動機でパッと作ってさっさとエージングを済ませてしまおうと考えたから。しかし作り始めるとノイズによって音質が飛躍的に向上することが分かってきたので、目的が「如何に高音質のノイズを製作するか?」に変わってしまった。目的が変わってもNightowl Carbonが開発の中心機材となった。と言うのもNightowl Carbonはポテンシャルが高いヘッドホンだが、気難しいところがあり、ノイズが良くないと音質がすぐに悪くなる。かと言ってきちんと適正な条件のノイズを入れてやると音質がグンと良くなる。「ここが良くない」とはっきり教えてくれるヘッドホンだ。これがER4SRやSRH1540ではこうはいかないんだな。Nightowl Carbonのこの特性は一般的には好まれないだろうが、バーンインノイズの製作にかなり重宝したので個人的にはかなり気に入っている。

Nightowl Carbonを買った時は似たようなもの買ってもつまらないので、NightHawk Carbonは買う気なかったのだが、バーンインノイズの開発はNightowl Carbonとともにあったわけで、バーンインノイズの完成記念としてなら兄弟機のNightHawk Carbonが一番ふさわしい。兄弟機と言うことでどの程度の音質か?とか音の傾向は予想できるので、面白くはないが安心感はある。
これは新品で28800円で買ったのだが、作りから、付属品から明らかに3万のそれではない。「これが3万でも売れないなんてみんな見る目ないんだなw」と思いながら早速聴いてみよう。



さて、その音。箱出し8時間くらいで全然鳴らされていないのだが、Nightowl Carbonの時とは明らかに印象が違う。

Nightowl Carbonは鳴らし始めでもER4SRよりSN良かったし、解像度も高かった。傾向はニュートラルだがクリア傾向でHD650とER4SRどっち寄りの音か?と言われたらER4SR寄りの音だった。

当然このNightHawk Carbonも似たような傾向だと予想していたが全然違った。このNightHawk Carbonには凄まじい曇りがある。傾向はニュートラルではなく、ソフト傾向でもない。ただただ曇っていると言う印象。HD650とER4SRどっち寄りの音か?と言われたらHD650寄りの音なのだが、HD650の方がクリアに聴こえる。定位は解像度の割に比較的良くて奥行きは5mくらいあるが、曇りのせいで解像度が低い。解像度はHD650(標準ケーブル)の4段程下。SRH1540の時のように音色が良いとかそういうこともないし、正直1万くらいの価値しかないんじゃないか。いや、まだエージングが全然進んでないからこれから音質が上がってくるのは分かる。それでもNightowl Carbonの時とここまで違いがあったら明らかな個体差だなと感じる。

Nightowl Carbonのレビューにも書いたが、Nightowl Carbonは、バーンインノイズの設定次第で音の傾向や音質がごろごろ変わるし、アンプでもゴロゴロ変わるので、私の評価と世評が剥離してるのは再生環境や個体差のせいなんじゃないか?と考えていたのだが、どうやら当たっていたようだ。NightHawk Carbonも設計上はNightowl Carbonと同等の性能があるので、バーンインノイズを鳴らしてやると恐らく同じようなレベルの音になると思うのだが、素の状態でここまで個体差があったら酷評も致し方無いなと思う。






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2020/04/28 執筆    
2020/05/11 公開